獣医師みやも&ブリ太郎のすったもんだ日記

愛猫ブリ太郎と、動物病院の日常やどうでもいい日々を綴ります。

こんばんは!
ついに鼻がムズムズしてきた…
花粉症シーズンが到来ですぞ


今回はネコの飼育方法について!
最近は猫の飼育頭数が犬を超えたということで話題になってますね
たしかに飼っている家庭は多く、多頭飼いも当たり前になってきているようです。

多い方では10頭を超えるお家も…
それだけ猫に魅力があって飼いやすいということなんでしょうね


さてさて、猫は犬と違って飼育場所の決まりや基準が存在しません。
なので自由に家の中と外を出入りしている子も多いですね。

『おさかなくわえたどら猫~』
なんて歌もありますし、猫は自由に外を出歩くものというイメージが強いと思います。


ですがそれ、実はかなり危険なんです…
農水省のHPでも、猫の室内飼育が推奨されています。


今回はその理由について書いていきます
(あくまで獣医師からの目線になります)


1.感染症のリスクやケンカ
お外に行くということは、他の猫と接する可能性が出てきます。
特に♂猫の発情期は、行動範囲がグッと広がりますし、♂どうしのケンカが多くなります。

猫どうしがケンカをすれば、もちろんケガをしますよね。
(ちなみに猫の口の中はウンチより細菌数が多いと言われています…)
 
さらにケガと共につきまとうのが、感染症です。
猫の感染症には、ウイルス細菌寄生虫まで様々です。

ネコどうしでうつるものでは、カリシウイルスやヘルペスウイルスといった、いわゆる『ネコ風邪』口内炎の原因となるものがダントツで多いです。
(猫風邪についてはまた後日触れます)
この猫風邪、風邪なんて名前ですけど意外と侮れません!
対応が遅れれば命を落とすことだってあるんです


また、ウイルスの中でも怖いのが 猫白血病ウイルス と 猫エイズウイルス でしょう。
(個人的に)
このウイルスの感染経路には胎盤感染(生まれつき感染している)もありますが、他の子からうつってしまうことがやはり多いです…

この2つ、何が嫌かというとまず一度感染すると基本的に除去できないこと
(感染初期に治療を行って陰転したという例もありますが、稀です…)

また、遅かれ早かれ、いずれ発症してしまうことです。
治療方法は支持療法のみなので、治療が難航することも多いです。

生まれつきの場合は仕方ないですが、できることなら感染を予防してあげたいものです。


予防方法にはワクチンもありますが、効果は100%ではありません。
乱暴な言い方になりますが、感染源を断つことが究極の予防方法なんです。


また、これからの季節多くなるのが寄生虫ですね。
草むらにはヤツら(ノミ・ダニ)が潜んでますし、田舎では疥癬や耳ダニがついてしまうこともあります。
(なぜか室内飼いでもついちゃう子もいますが)

また、このような外部寄生虫の他、季節関係なく感染のリスクがあるのが内部寄生虫です。
内部寄生虫は、消化管や体内組織に寄生する虫たちのこと。(いわゆるお腹の虫ですね…)
じつはとってもたくさんの種類がいます。

私が今住んでいる地域では、他の子のウンチから感染する回虫や鞭虫、鈎虫。そのほか体についたノミを口にすることで感染する瓜実条虫や、カエルやヘビを食べることで感染するマンソン裂頭条虫といったところが多いです。
寄生虫は駆虫ができるので、さほど大変ではありませんが、多頭飼育している家庭ではお互いにうつし合ってしまったりすることがあります…


長くなりましたが、
まずはこの感染症が大きなリスクになります…


2.交通事故のリスク
他の猫との接触によるケガや病気の他にも外にはもう一つ、大きな危険があります。
それが 交通事故 です。

これが実はかなり多い…
猫は事故にあいやすい印象があると思いますが、それには猫の性質に原因があります。

動物は動くと形が変わります。
基本的に猫の脳は、動いた物を見ることでスピードや距離を測っています。
車は動いても形が変わりませんから、猫は車が近づいてきているのをとっさに判断ができません。

車が近づいてきているのに道路のど真ん中でじーっと車を見つめて、ギリギリになって慌てて逃げる猫をたまに見かけますが、あれはこっちに来ているのか判断している時間なんですね。

その性質のため、猫は他の動物と比べて事故にあってしまう確率が高いのです…

事故にあってしまって運び込まれてくる子は結構多いです。
軽い打撲程度で済んくれる子から重症で瀕死状態の子まで、事故の子の症状は千差万別。
やはり骨折していることが多いですから、治療費用も莫大なものになります。


事故の他にも、農薬などの誤食など、危険がいっぱいです。
私たちが1番困ってしまうのは、『外で何があったか分からないこと』です。
何かしらのきっかけがあって調子が悪いのと、何があったか分からない状態で1から調べていくのとでは天と地ほどの違いがあります。
『それを調べるのがあんたらの仕事でしょうが!』なんて言われることもありますが、結果的に原因が分からず治療を行わなければならない子はたくさんいるのが実際です。


ひとまず外と病気との関連について書きました。
でもまだまだあります!

つづきはまた次回…

こんばんはー!

最近みんなに『ブリでかくなった!?』って言われます。
そ、そんなに変わらないよ。ほんとほんと 笑


さて、今日はブリの給水器の話。
猫といえばオシッコですよね。
また糞尿の話か…とあきれないでください

それだけ猫のオシッコトラブルって多いんです


さて、なんで猫にオシッコトラブルはつきものなんでしょう?
その原因のひとつに
飲水量が少ないこと
が挙げられます。

猫の祖先はリビアヤマネコ。故郷は乾燥した砂漠地帯と言われています。
乾燥した地域では水はとても貴重なもの。
少ない水の量でも生活できるような体になっているので、もともと猫には水を積極的に飲む習慣がないのです。


水を飲む量が少なくなれば、オシッコは濃く少なくなり、排泄も少なくなります。
そして尿が膀胱に留まる時間が長くなることで、細菌は繁殖しやすく、結石は作られやすくなってしまいます。

お水はごくごくのんでオシッコはじゃんじゃん出した方がいいんですね。


猫で1日に必要な飲水量は、一般的に60~70㎖/kgとされています。
(脂肪には水分を保てないので、肥満の子はより多くの水分補給が必要です)
ちなみにドライフードには10%の水分、ウェットフードには75%ほどの水分が含まれますから、
あまりにもお水を飲まない子の場合はウェットフードで強制的に水分を摂らせるという方法もありますね


ですがやはりフードだけでは十分な量は摂れませんから、なんとか自分で飲んでほしいところ。
体調の問題で飲めない場合は別ですが、少しの工夫で飲水量がグッと増えるかもしれません。

①器の大きさ
猫の中にはヒゲが器に当たるのを嫌がり、水を飲むのをやめてしまう子がいます。
口が広くて浅いものがおすすめです。

②高さ
少し器の位置を高くすることで、飲みやすくなることがあります。

③場所

実は野生動物の猫科の仲間は、水飲み場と食事の場所、トイレは全て分けています。
全部一緒の場所だとすぐに敵や獲物に居場所がバレてしまいますからね。
よくやってしまうことですが、トイレとごはん皿と水の器は一緒に置かないほうがいいとのこと。
猫によっては場所が気に入らないという場合もあるので、できれば複数カ所置くのが理想的です。

④器の素材
ガラス、陶器、ステンレス、プラスチック
今は色んな素材のものがありますね。猫達はこだわりがありますから、決まったお皿でないと飲まない子もいます。
おススメなのは陶器です。ステンレスやプラスチックはお手入れがしやすいですが、傷がつきやすくニオイが付きやすいという欠点があります。

⑤流水にしてみる
猫達は流れる水に興味を持ちやすいです。
キッチンで水を流していると寄ってくる子もいるのではないでしょうか。


ブリがまず実践したのは⑤です。
(まずというのはワケがあります…)

使ってみたのはこちら。



これ、ブリには効果てきめんでした!
主に流れる水を突っついて遊んでましたが、確実に飲む量はアップしていたようです。

デメリットとしては、遊んでしまう子の場合は周りがびしょびしょになることくらいでしょうか…




こっちの方がこぼれにくそうですね。

さて、ただこれらの給水機、ブリにとっては致命的な問題がありました。
それは パーツが分解できること

破壊神ブリ太郎ですから、おおよその予想はつくかと思いますが。

……ええ、分解したんです


この給水機、ポンプでくみ上げるようになっていますから、もし上のカバーが外れると…
水が噴水のように噴出します 笑


帰ったら水浸しの部屋と猫がいるんだもんびっくりしますよねー


今はまだ対策を練っている段階ですので、ひとまず水入れは陶器のグラタン皿で代用しています。
図らずも④を実践することになってしまったのでした。
とほほ…

こんばんは!

今Twitter上でとある問題が話題になってますね。
それが
猫の避妊・去勢手術ミスについて


事の詳細としては
とある猫の飼い主さんが自身が飼っている雄猫の去勢手術をかかりつけでお願いしたところ、
確認不足で避妊手術、つまり開腹されてしまった
というもの。

獣医側の言い分としては、飼い主に『避妊手術をお願いします』と言われて、避妊手術=雌と思い込んだ とのことでした。

Twitter上では
『獣医のくせに雄雌も分かんないのか』
『麻酔かけて毛を刈っても分からないの?』

との声が多いですね。
なので今回は 猫の性別判断について 書こうと思います。

正直、例の問題は獣医師の確認不足と、問題があった後の飼い主とのコミュニケーション不足によって起こったものと思います。
避妊手術と去勢手術が混同している飼い主さんもいますから、今回飼い主さんには全く落ち度はないです。

ただ、麻酔をかけて毛を刈っても分からないのかどうか についてはちょっと触れなければなりません。

まず、そもそも犬と猫の体の構造は全く違います。
まずは犬の雄雌の違いについて。

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犬については知っている方がほとんどでしょう。
仰向けにしてお腹を見れば、一目瞭然ですね。

男の子の場合は下腹部にペニスがあり、その下に睾丸が見えるはずです。
バンザイで立たせるだけで十分判別可能、分かりやすいです。

では、猫ではどうでしょうか。

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もちろん猫のオスにもペニスと睾丸が存在します。
ですが、犬のようにお腹の目立つところにペニスがあるわけではないんですね。

このイラストでは仰向けになれば見えるように書いてますが、
実際には仰向けで猫の睾丸・ペニスはほとんど見えません…

特にふわふわの毛が生えている猫達。
注意して確認しようとしなければ、そのまま気付かずに手術に入ってしまう可能性は十分にあります。


かといって、だから間違えても仕方ないと言っているわけではありません。
私たち獣医師は、最初に避妊去勢手術について教わる際に『性別の確認』を徹底するよう言われます。

……なぜなら飼い主さんも勘違いしていることがあるからです。

先ほども言ったように、猫のペニスはおなかにはありません。
飼い主さんの中には、犬の要領でおなかをさすって
『ああ、おちんちんがない。この子はメスだな』
と思ってこちらに避妊手術を依頼し、預かりの時に診察室で確認するとオスだった…
なんてこと、実は少なくないんです。

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最も分かりやすいのは、立った状態で尻尾を持ち上げて直接陰部を確認する方法ですね。
私たちはこの方法で預かり時に必ず確認するようにしています。

去勢手術をするような大人の子であればこれで確実に分かるので大丈夫。


問題は睾丸がまだ降りてきていない幼猫の性別チェックです。(幼猫で去勢はしませんが)
睾丸が分かりにくい子の場合は、肛門から尿道口までの距離で見分けることもできます。
距離が長い場合は男の子短い場合は女の子ですね。
慣れれば簡単に見分けることが可能です。



猫の性別チェック
意外にもトラブルの種になりやすいところです…
私たちも気を付けないといけないな、と改めて思いました。

こんばんみ
冬も中盤に差し掛かりまして、みやもの全指先にひび割れが発生しました。
キーボードを打つのも激痛です…
全部冬のせいだ。


そんな冷え込む毎日ですが、やはり動物達も寒いもの。
お留守番中ずっと暖房やこたつを点けておくのも電気代やら火事やら心配ですよね。

そんな時に助けてくれるのが

ペットヒーター

私も去年、本格的に寒くなる前にヒーターを買いました!
ブリに買ったのはこちら

ペティオ ペットのための電気ヒーター
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毛だらけできったねぇ…

最近は本当に色々ありますよね。
私がヒーターを選ぶ際にポイントにしたのは
・暖かさ
・サイズ
・安全性
・電気代・値段

の4点

暖かさについては、最近のほとんどのものは問題はないと思います。
昔は熱すぎるものがあったり、全然暖かくないものもありましたねぇ…

動物で問題になるのは 低温やけど (人でもありますよね)
若い子は自分でちょうどいい温度を見つけて動きますが、シニアの子達や病気で動けない子たちはその調節ができません。
よかれと思って温度の高いヒーターを敷いたままにしたり、湯たんぽを体に密着させたままにすると
気付いた時には…ということになりかねません
動物達には毛がありますから、火傷やキズは特に分かりにくいですからね。
動けない子は適度に体位を変えたり、湯たんぽ等にはカバーをして温度が高くなりすぎないようにしましょう。

サイズ
これは当然飼っている子のサイズによりますよね。
ブリはSサイズにしました。
サイズ感としてはこんなかんじ
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ちょっと小さかったかも…

続きまして安全性
これは火傷の問題は置いといて、コードが保護されているかどうかの一点だと思います。
病院で色んな子を見てると、なんでもかんでもガジガジに咬んでしまう子もいますからね…
使っている状態でコードを咬めば、もちろん感電してしまいますから。
これは必須条件ですよね(大体の物はガードしてあるはずです)

電気代・値段
個人的に1番重要なポイント(笑
いくらいいモノでも、電気代が激高では使ってられません…
今回購入したヒーターは、1日フルで使っても1日当たり3.1円
本体自体もペットショップでは3000円程度とお手頃だったのでその点もよかったです。


もちろんもっとスペックの高いものもありましたが、
我が家はこれで十分満足しています。
ブリは今やこたつがついていてもこのヒーターの上に座ってます
気に入ってくれている、はず……

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スイッチついてないと睨んできます



ふぁぁぁあああ~~~~~
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ぶさいくだなー…

猫のあくびは途中で鼻の下が伸びてゴリラみたいな顔になるポイントが好きです。


猫のあくびって眠い時だけに出るものじゃないんですって。
イライラしている時(寝てるのを邪魔したり)とか、気持ち悪い時にも出ることもあります。
特に下を向きながらとか、涙・涎を流しながらするあくびは要注意。

意外な病気が隠れてることもあるんです
写真のブリのように、足をのびーんとしながらするようなあくびなら問題なし。
この人はただ眠いだけです。


しょーもない内容ですみません…笑

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