こんばんは。
松本薫さんが引退会見をされましたが、野獣とはかけ離れていてとっても可愛らしい方ですね!
アイスクリーム屋さん。いいなぁ~


今回は通称 イヌの風邪。ケンネルコフ についてです!
今は人間界でもインフルエンザや風邪が流行る時期ですからね


 ケンネルコフって? 

ケンネルは犬舎、コフはという意味で、まとめると『犬小屋の咳』ですね。
正式名称は 犬伝染性気管気管支炎 という名前です。

伝染性の呼吸器疾患の総称で、様々なウイルスや細菌が複合感染することで急性の気管気管支炎の症状を起こします。
伝染性がとっても強くて、集団で飼われているところや、犬が多く集まるイベントで感染することが多いです。(人間と同じですね)

特に特に多いのが、新しい家に迎え入れたばかりの子犬での発症です!
この病気は6ヶ月未満の若い子犬で多いのですが、その理由については下で…


 原因は? 
ケンネルコフの病原体は混合ワクチン中に含まれる犬アデノウイルス2型(CAV2)犬パラインフルエンザウイルス(CPV)から、ワクチンのない犬ヘルペスウイルス気管支肺血症菌マイコプラズマといった細菌まで様々です。

感染経路も経鼻・経口・接触感染とこちらも様々ですから、まさに 犬の風邪 なんですね。
ヒトの風邪と同様に考えても差し支えないです。

先ほどケンネルコフは6か月未満の子犬に多いと書きました。
その大きな理由としては

①ワクチンをまだ接種していない
②環境の変化等に弱く、抵抗力が低い

の2つです。
混合ワクチンに主な原因ウイルスの2つが含まれていますから、当然接種済みの子の方が感染する確率が低くなります。
ただ、その2つだけが原因となるわけではないので、ワクチンを接種していてもかかってしまうことは当然あります。あくまで増悪因子という考え方ですね。

もう一つのほうが重要です。
子犬はもともと抵抗力が低いことはなんとなく分かると思いますが、生後6週~6か月の間にはとあるイベントが発生します。

それは 生まれたところから新しいお家に移る ということですね。

ヒトでもそうですが、子犬にとって環境の変化というのは私たちが思っているより負担がかかります。
動物たちのお正月でも触れましたが、ストレスは動物の免疫力をガクっと落としてしまうんですね。


なので子犬を迎えて1週間は、とても注意が必要な時期とされています。
普段はかからないような感染症にかかりやすくなりますので、基本的に慣れるまではそっとしておくこと。私たちの病院では迎えて1週間未満の子に対してはワクチンも射たないようにしています。

見た目は元気いっぱいで何も考えていなさそうでも、案外デリケートなんですよね


 症状は? 
やはり名前の通り、第一はですね。
深く乾いた咳が続くことが多いようです。
咳が出ることでえづいたり、他には熱や鼻水が出ることもあります。

ほとんどはそれ以上の症状は起こさないのですが、ひどい場合は元気・食欲がなくなってしまったり、長期化すると2次感染を起こして気管支肺炎を起こしてしまうこともあります。

かかるのはほとんどが子犬なので、あなどれないですね…


 治療は? 
軽いものの場合、身体を温めて、乾燥しないように適度に湿度を保ちながら安静にすれば1週間ほどで改善してくれます。
ただ、ほとんどが子犬での発症なので、重症化する可能性を考えて以下の治療を行うことが多いです。

・抗生物質:細菌を退治するために使います
・鎮咳薬:咳が酷くて苦しい場合は使うことがあります

その他、場合によっては噴霧器によって薬剤を吸引させるネブライザーという治療を加えることもあります。
治療は1~2週間ほど続けることでほとんどの子は改善します。


 予防方法は? 
まずはやはりワクチンですね。
100%の予防はできませんが、やはり接種していない子と比べると感染率が下がります。

あとは子犬をお家に迎えて1週間は、たとえどんなに元気に見えてもそっとしておくこと
可愛くて構いたい気持ちは分かりますが、遊ぶのはほどほどに。
最初は慣れるまで休ませてあげて、お外に連れ出したり病院に連れて行ったりはしないでください。


また、たくさんの犬が集まるイベントにも注意が必要です。
うちの病院で、とある時期にケンネルコフが疑われる子がたくさん来たことがあります。
聞けばみんな同じイベントに行ってからとのこと。
おそらくそこでうつってきたのでしょう…。

楽しいイベントに行くのはもちろんいいことです。
わんことコミュニケーションも取れますしね
ですがもし、その後にいつもと違う咳をし始める様子が見られたら、早めに病院に連れてきてください!
イベントに関しては、成犬子犬関係なくかかることがありますので…




さて、今回は犬の風邪についてでした。
ほんとうに犬と人は似てますね~
みなさんも風邪やインフルエンザに気を付けて!
ではでは