獣医師みやも&ブリ太郎のすったもんだ日記

愛猫ブリ太郎と、動物病院の日常やどうでもいい日々を綴ります。

病気の話

こんばんは!

ひっっさしぶりの投稿となりました…。
忙しい時期を乗り越えたので、また少しずつ書いていこうと思います

(正直誰も読んでないだろうと思って最近怠けてましたが、久しぶりに会った友達たちに『読んでるよー!』って言ってもらえたので、またちょっとやる気が出ました 笑 ありがてぇ。)


ブリも相変わらずのんきに元気に過ごしています。
今日はペットショップで蹴りぐるみなるものを買ってみました


SNSとかでみんなの猫ちゃんがけりけりしながら遊んでるのを見てカワイイな~と思っていましたが、
『どうせブリは遊ばないだろうなー』
なんて思って手が出ずにいました。
が!
誤算でした…

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めっちゃ遊ぶ!蹴る!蹴る!!

最近新しいおもちゃ買ってなかったもんねー
買ってよかった一品でした!



さてさて、どうでもいい話はここまでにして…
今回は『ネコの便秘』について


『えー!動物も便秘になるの!?』
と思われる方も多いと思いますが、侮るなかれ。ネコは案外便秘になりやすい動物なのです…。


 ネコとうんち 

基本的に哺乳類の消化機能は同じです。

口から摂取された食べ物は、胃で消化されて柔らかくなり、小腸(空腸・回腸)で養分が吸収され、大腸(結腸)で水分が吸収されて便になります。

この流れの中で、何らかの原因により便中の水分が少なくなり、便がカチカチになってしまうと肛門から排泄しにくくなり、便秘を引き起こしてしまうのです。


ネコは純粋な肉食動物なので、草食動物と比較するとたしかに繊維の少ない硬めの便になりますが、健康な子であれば排便は毎日見られます。
(中には2日に1回という子もいますが、その子のペースが保たれていればOKです)

食事の量が一定であれば、便の量も一定。
色は茶褐色(この色→ )で、指で力を加えれば簡単につぶせるくらいの硬さがベストです。


 原因 

実は犬は便秘になることはほとんどありません。
実際動物で圧倒的に便秘が多いのはヒトネコ、あとはくらいでしょうか…。
(馬はまた特別な体質のせいですが)

ではなぜネコは便秘になるんでしょう。

1.水分不足
以前の記事ピュアクリスタルで水を飲む!~猫と給水器とオシッコと~でも触れましたが、ネコの先祖は砂漠生まれ。なのでもともと水をあまり飲みません。

生まれながらにしてウンチが硬くなりやすい動物なんですね。なかなかハードモードです。


2.毛玉などの異物
これもネコ特有の原因かもしれませんが、ネコたちがグルーミングの際に飲み込んでしまう毛も、排便の妨げになってしまうことがあります。

うちの病院に以前便秘を主訴に来た子の中には、摘便にて取り出した便の中にカナブンの破片が大量に混じっていたことがありました飼い主さん曰く、
お外で虫を捕るのが大好きとのこと。
外に行ってしまう子では思わぬものが原因になることもあるので、より注意が必要ですね。


3.骨盤腔が狭い
これは物理的な問題です。
ネコは他の動物と比べて骨盤が小さく、ウンチの通り道となる骨盤腔も狭くなっています。

それでも、生まれつき骨盤が極端に狭くなっているような子を除けば、普通は排便に問題を起こすことはありません。では骨盤腔狭窄が起こる原因って…。
やはり『事故』ですね。

骨盤は他の部位の骨格と違って、立体的な構造をしていますから、交通事故といった衝撃により構造が崩れてしまうと、簡単に狭窄が起こってしまいます。

もちろん手術によって骨盤骨折は修復することは可能ですが、事故から時間が経ってしまっていたり(外ネコちゃんは発見が遅れることが多いです)、神経損傷まで生じてしまっていると、完全に機能を回復させるのは難しいことが多いです。


4.運動・筋力不足
ヒトの便秘でも言われていますが、便の排出には適度な運動と筋力が必要とされます。
もともと運動を嫌う子だったり、肥満により動くのが億劫になってしまっているネコちゃんは便秘になりやすい傾向があります。


5.ストレス
万病のもととなるストレス。ここでも悪さをしてきます…。
ネコはストレスにより消化管の動きが極端に悪くなってしまうことがあります。

ストレスによる症状は、主に嘔吐や下痢といったものが多いですが、まれに便秘を引き起こしてしまうことがあります。
ストレスって本当に厄介ですね…。


6.老化
これはしかたないのですが…。
年齢が高くなれば、やはり運動量も落ち、それに伴って飲水量もどうしても落ちます。
いままで何ともなかった子が、急に便秘になってしまったということもあるので、シニアの仲間入りをしたらウンチやおしっこの状態には特に気を配ってあげましょう。


 症状 
便秘は症状が分かりにくいので、気付くのが遅れやすいです。

もちろんウンチが出ていない、少ないというのが症状なのですが、
便秘が進行してくると
トイレでずっといきんでいる
ウサギのウンチのような硬い小さな便しか出ていない
と症状が激しくなってきます。

重度の子では、脱水を引き起こしたり、いきみすぎて吐いてしまう子もいます。
余分な脂肪がついていない子であれば、お腹を触ると硬いウンチの塊が触れるかもしれません。

なかなかウンチをしている現場に遭遇できないこともあるので、
最近ウンチを見ていない
というので初めて気づかれることが多いようです…。



ヒトの便秘も辛いものですが、ネコちゃんだって便秘はとってもつらいもの。
できれば早く気づいてあげたいですね。
やはり毎日のウンチチェックは必須です


次回は治療と予防について書きます~💩
ではでは、明日はみんなでラグビー応援しましょう!


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こんばんは!
夏ですね!高校野球がアツいですね


さて、今回はネコのバイタルチェックについて。
これまで病気についてちまちま書いてきましたが、最も重要なことを書き忘れていました…

やはり病気について知るには、正常を知ること
なんでもない時の愛猫の状態を知ってこそ、病気の時の異変にいち早く気づけると思います。


ネコのバイタルをチェックする時、最適なのはやはり安静時に見ることです。
なのでベストなのはお家でリラックスして寝ている時
実は病院では極度の緊張で興奮状態にあるので、正確に測定するのは難しいです

なのでここでは、お家でのチェックのしかたを紹介していきます。



 体重 
病院では体重計付きの診察台ですぐ測れるので簡単な体重測定。
お家ではちょっと大変ですよね。

お家で体重を測る時は、ネコを抱っこして体重計に乗ります。
そこから自分の体重をひいて、ネコの体重を計算します。

抱っこして測った体重-自分の体重=ネコの体重


ネコはその子によって体格が全然違うので、いわゆる正常値というものは存在しません。
2kgほどの小柄な子もいれば、8kg近くにもなる大柄な子まで、案外幅が広いのです

体重が適正かどうかは、BCS(ボディコンディショニングスコア)を使ってチェックします。

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 体温 
正常なネコの体温:38~39度
幼猫:ちょっと高め
老猫:ちょっと低め
興奮すると39度前半程度までは容易に上がります。
なので病院では39度前半までは問題なしとすることも多いです


体温の測定は自宅でハードルが高いかもしれませんね…。
ネコの体温は基本的に直腸温を測ります。
ネコには被毛があるので、ヒトのように脇の下で測ると誤差が出やすくなります。

病院では、動物用の体温計に使い捨てのカバーをして、肛門に差し込んで測定しています。
プローブカバーは一般でも購入可能なので、お家の体温計で測定することは可能です。


当然ですが突然肛門に体温計を差し込むと驚く&嫌がるので、誰かが抱っこして落ち着かせた後に、そーっと差し込むようにしましょう。
(ウンチに刺さると温度が低めに測定されるので注意です💩)



体温計は少なくとも5㎜程は肛門に入れましょう。
浅すぎるとそこはまだ皮膚なので…

体温計を使用しない方法では、耳の付け根や腹部などの毛が少ない部位で触って確かめる方法もあります。飼い主さんが触って熱いと感じたら、実際に熱が高いことが多いですが、短毛種やもともと毛が薄い子の場合はより熱く感じやすいです。


 心拍数 
100~150/分
幼猫はやや多く、200程度までは正常値とされています。

心拍数の測り方は、①胸に手を当てて心臓の拍動を触知する方法と、②内股の『大腿動脈』から触知する方法があります。
心拍数は基本的に1分間の回数を測定しますが、1分間ずーっと触って数え続けるのはちょっと大変。
なので私たちは、15秒間の心拍数を数えて、それを4倍します。

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測定するときは、やはりお家でリラックスしている時にしましょう。
遊んだ後など、興奮している時は簡単に上昇してしまいます…


 呼吸数 
20~60回/分

呼吸数は心拍数と比べると測りやすいです。
ネコの呼吸数は、胸の動きを数えることで測定します。

心拍数と同様に1分間の回数を数えますが、15秒数えて4倍では誤差が出やすいので、呼吸数は少なくとも30秒間は数えたほうがいいでしょう。
寝ているところを眺めていればいいので、呼吸数よりも簡単です


健康なネコは静かに一定の間隔で呼吸をします。
以下の呼吸が見られた時は要注意!

・荒く早い呼吸
・鼻翼呼吸(鼻の両側がヒクヒク動くような呼吸)
・開口呼吸

*猫は犬と違って普通は口を開けて呼吸はしません。安静時に口を開けて呼吸をしている場合、何かしらの呼吸器異常が疑われます。(興奮時は開口呼吸が見られることはあります。)

また、猫が苦しい時の寝る姿勢は
①伏せの姿勢(肺が圧迫されるので横になれない)
②犬座姿勢(伏せさえもできない…)
③苦しくて寝ることもできない
といった順に進んでいきます…

もちろん普段と違い見るからに苦しそうなので、すぐ分かると思います。
『なんかおかしいな?』と思ったら、すぐ動物病院へ!
動物達の1番の主治医は飼い主さん達ですから




基本的な体温・心拍数・呼吸数について書きましたが、全てにおいて個体差があります。
1回の測定でそれが異常か正常かを判断するのは少し難しいので、普段からこまめにチェックしてその子の正常値がどの程度かを把握しておくのがとっても重要です



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こんばんは!

梅雨が明けたみたいですね
やっと洗濯物が臭くなくなります…


さて、今回はとある病気『膿胸』について!
膿の胸と書いて『のうきょう』と読みます。(JAではありません 笑)


あまり馴染みのない病気ではないでしょうか…
でも実はこの病気、どの子でもなる恐れのある、こわーい病気なのです


 膿胸とは 

膿胸は、何らかの原因で胸膜に細菌感染を起こし、胸腔内に膿が貯留してしまう病気です。
ここでは猫の膿胸について触れますが(多いので)、犬ももちろん罹ることはありますし、人間だって例外ではありません。

胸腔とは、肺や心臓が収まっている部位、腹腔内とは横隔膜で隔てられています。

本来胸腔内は真空状態。(だから肺が簡単に膨らむことができるのです)
そんな所に空気が入るだけでも苦しくなってしまいますが(これは気胸と言います)、そこに液体、しかも細菌いっぱいの膿が溜まるとなると、そうとう苦しく、命にも危険が及ぶこともあります…。


 原因 

そんな恐ろしい膿胸、実はほとんどの症例で、原因は不明です。


…それはなぜでしょうか?

膿胸はじわじわと静かに進行し、ある日突然症状が現れることが多い病気です。
なので、原因と思われる出来事から時間が経ってしまい、結果的に分からなくなってしまうのですね

ですが、膿胸は基本的に細菌感染によって起こりますから、おおまかに原因は絞られます。

・ケンカ(胸部に爪や牙による傷が入る)
・事故(胸部のケガによる感染)
・食道からの傷(尖ったものなどを食べて食道から胸腔へ細菌感染を起こす)
・肺炎(化膿性肺炎の波及)
・腫瘍(二次的な細菌感染)

などなど。
この中でも、圧倒的に多いのは外傷(ケンカ・事故)です。
そんなワケで、自由に外へ行く猫ちゃんに起こることがほとんどです…。


 症状 

第一の症状はやはり、『呼吸が苦しい』です。

液体が胸腔に溜まれば、肺を圧迫して膨らむのを邪魔しますから、溜まる膿の量が多くなれば多くなるほど苦しくなります。

『苦しくなる』と簡単に言いますが、ネコ達が苦しい時を見極めるのはそう簡単ではありません。

この子達は自分たちが調子が悪いことを隠しますから…

ネコ達は呼吸が苦しくなると、以下のような症状が見られてきます。

・元気がなくなる
・食欲が落ちる
・呼吸回数が多くなる
・鼻をヒクヒクさせながら呼吸する(鼻翼呼吸)
・横に寝られなくなる(肺が圧迫されるので)
・寝ることもできなくなる(犬座姿勢をとる)
・開口呼吸をする
・チアノーゼ(舌色が青白いor青紫色になる)

(たまに若くて元気な子は、めちゃくちゃ暴れ回った後に一時的に開口呼吸をすることはありますが、その時とは顔つきが全く異なります。)


1番客観的で分かりやすいのは呼吸回数ですね。
運動した後は基本的に呼吸が早くなるのは当たり前なので、落ち着いている時…極端に言えば寝ている時に呼吸数を数えてみましょう。

正常時の猫の呼吸数は、1分間当たり20~30回
(ただ、1分間ずーっと数え続けるのは大変なので、15秒間だけ数えてその数を×4して1分あたりの回数を出します。(私たちもその方法で数えます))

それが1分間に80回、90回も呼吸していたら…
気温が関係していることもありますが、基本的には異常です。
病院での診察を強くおすすめします。


さて、ここまでは胸腔に液体が溜まることで起こる物理的な問題でした。
さらに膿胸では、そこに細菌感染というイヤ~な要素も加わります。

なにしろ胸腔内に溜まっているのはただの液体ではなく、細菌だらけの『膿』ですから…。
もちろん治療が遅れれば症状は全身へ及びます。

場合によっては、菌血症敗血症、さらにはDIC(播種性血管内凝固)といった恐ろしい合併症を引き起こすことさえあるのです。
これが『膿胸』の致死率が高い理由ですね。

緊急性が高い病気ですから、私たちも見つけ次第大急ぎで処置します


 診断 

基本的に診断はレントゲンエコー(胸水の採取)です。

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これが膿胸症例のレントゲン写真です。
片方の肺が真っ白になって見えなくなってしまっています。
実際には肺はこの中に存在するのですが、大量に膿が貯留することで見えなくなってしまっているのですね。(レントゲンでは空気は黒く、液体はやや白く写ります)


これだけでは、胸水と鑑別ができませんので、次にエコーを用いて胸水の採取を行います。
そこで膿汁が採取されれば、『膿胸』と診断されるというわけです。
(肺炎や腫瘍の有無はまた別ですが…)


しかし膿胸の診断はそう簡単ではありません。
なにしろ膿胸の子たちは、連れてこられた時点でかなり呼吸状態が悪い子がほとんどですから。
検査も慎重に慎重に行います。
検査中に容体が悪化…なんてことも十分起こり得るので


 治療 

膿胸の治療は比較的シンプルで、

・胸腔内の洗浄
・抗生物質の投与

が基本的な方法です。
私が勤務する病院では、

①最初に膿汁をできるだけ抜去する。
②呼吸状態をなるべく改善させた状態で胸腔ドレーンを設置・留置する
③ドレーンを使用して胸腔内を洗浄する
④抗生物質を投与

①~④を最低1週間ほど続けます。
その間は入院管理です。(場合によっては酸素室内で)

基礎疾患(腫瘍や肺炎といった他の病気)がなければ、この方法でほとんどの子は改善します。





さてさて、こんなイヤな『膿胸』。
予防できる方法というと、ひとつはやはり『外に出さないこと』です。
やはり大部分が外でのケンカや事故によって起こっていますので。

もちろん室内飼育でもなってしまうことはありますし、いくら気を付けていても防げないこともありますが、外ネコちゃんはリスクが桁違いです。
やはり私たちは、なるべく室内飼育をすることをおススメします。


また、どの病気でもそうですが、病気の早期発見は飼い主さんの観察力がとっても大事です!
いつもと違う様子が見られましたら、お早目に動物病院へ




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こんばんは!
明日はミュウツーの逆襲が始まりますね!

もうCMで半泣きですよ。
見に行くべきか、イメージを壊さないように見に行かないでおくべきか…


さてさて!
今回は動物の誤食シリーズ。イカについて

というのも、先日
『先生、ネコがスルメを食べちゃって…大丈夫でしょうか?
という電話を受けたからであります。

実際のところ、スルメは少量であれば問題がないことがほとんどですが、イカがなぜ問題となるか書いていきたいと思います

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『ネコにイカを食わすと腰を抜かす』

どこかで聞いたことある方も多いのではないでしょうか?
最近は知識豊富な飼い主さんも多いですから、『イカはネコによくない』というのをご存知で、心配されることも多いです。

おそらく電話を下さった飼い主さんも、どこかでこの噂を聞いていたのではないでしょうか…。


さて、ではなぜネコがイカを食べてはいけないのでしょうか?
それにはいくつかの理由があります。


 チアミナーゼという物質が豊富に含まれている 

そもそもなんで腰を抜かすのか?
この原因はイカや魚介類に豊富に含まれる『チアミナーゼ』という物質。

このチアミナーゼ、名前の通りチアミン(ビタミンB1)を分解する酵素(アーゼ)なので、摂取すればもちろんビタミンB1を少なからず破壊します。
そして体内のビタミンB1が必要量を下回ると、ビタミンB1欠乏症を引き起こします。

そして猫は他の動物と比べてビタミンB1の必要量が多いですから、より症状が出やすいのです

ビタミンB1欠乏症は、いわゆる『脚気』
昔の船乗りたちがよく発症していたと言われる疾患で、めまい、ふらつきなどの神経症状を起こします。この様子が『腰を抜かす』と言われる理由です。


…こんなことを書くと、心配してしまう飼い主さんも多くなると思いますが、基本的に問題となるのは『生イカ』です。
というのも、チアミナーゼは熱に弱いから。
加熱処理されたイカやスルメイカなどでは、よっぽど日常的に食べない限りはビタミンB1欠乏症にはなりません。


ただ、生イカに関してはその子によって発症する摂取量は異なりますので、食べてしまったら獣医師に相談してくださいね


 胃の中で膨らむ 

これは生イカよりもスルメイカで言われることだと思います。

スルメイカは乾燥していますから、胃の中で水分を含むと大きく膨張します。
人の胃では問題にならない量でも、人の10分の1ほどの体重のネコでは思ったよりも負担になります。

実際、市販のおつまみ用スルメイカを半袋ほど盗み食いして、一晩中ゲーゲー吐いてしまったという子もいます。


 消化不良をおこしやすい 

これはイメージしやすいかと思いますが、イカは消化によくないです。
なので単純に、大量に食べれば消化不良で嘔吐・下痢を起こす恐れがあります…


 塩分が多すぎる 

これはスルメなどの加工品が問題になることがほとんどですが、塩分も腎臓病になりやすい猫には負担になります。
これも日常的に摂取しなければ問題になることはほとんどありませんが、他の人の食べ物と同様に注意が必要です。



…こんなもんでしょうか?
まとめると、イカは

多量に食べなければほとんど問題にならないけど、基本的に与えてはいけないモノ

です。
イカのみならず、普段の生活でも人の食べ物は与えないようにしましょう
(ワンコにもね!)

こんばんは!

6月はなんて忙しいんでしょうか…
毎度毎度すみません。でもそれほど忙しい…


さて、前回はワンコたちの耳の構造と、外耳炎の原因について書きました。
今回はその外耳炎の症状と治療?というか実際の耳のケアについてです


 外耳炎の症状 
前回書いたとおり、外耳炎の原因は主にブドウ球菌マラセチアといった細菌の増殖によるものです。
(中には緑膿菌や異物、腫瘍が原因となることもありますが…)

症状はその子によって様々。
主に出てくる症状は
・耳道の赤み
・耳道の腫れ
・痒み
・匂いの強い耳垢が出る
・膿のような耳ダレが出る

といったもの。

耳道が少し赤くなるといった軽度の子もいれば、耳道が腫れてしまって完全に塞がってしまい、耳垢も膿状のものが多量に出るといった重度の子まで、程度もかなり差があります。


困ってしまうのは、痛みが出てしまうパターン
痛いと触らせてくれませんから、もちろん耳掃除もなかなかできません。
そのためどんどん悪化して、気づいたらひどい状態に…ということがあるので厄介です
(基本的に病院で処置しますが、場合によっては鎮静が必要になることもあります。)


もちろん症状が軽いほど治療への反応がよく、治りも早いです。
大事なのはいかに早期に発見できるか。
慢性化すると結構大変です…



 耳掃除の方法 
外耳炎の治療は基本的に耳道洗浄+抗生剤入りの点耳薬です。
(耳道のただれがひどい場合は洗浄しない場合もあります)

 
今回は基本的な耳掃除の方法を説明します。

ご協力いただくのは、当病院のわんこ『チップ』です
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大人しすぎて、エコー実習をチップでさせてもらった時、外部の先生に『この子は鎮静かかってるの?』と言われたほど。
(全身的に皮膚炎が悪化しているので、現在治療中です)


さて、実際に耳掃除をしていくわけですが…


まず使用するのはこちら

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・洗浄液(エピオティック)
・脱脂綿(柔らかいコットン等ならOK)

洗浄液は大きめのペットショップであれば取り扱っていると思います。
脱脂綿はお化粧用のものでもOKです。


①耳介を持ち上げて耳の穴が見えるようにします
(だいたいの子は動いてしまうので、誰かに頭を押さえてもらうとやりやすいです)

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②洗浄液を数滴入れます。
*入れすぎると溢れます!注意
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③耳の付け根を揉むようにして、耳道を洗います。
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ここがポイント!
前回書いたとおり、犬の耳道は長いです。
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洗い方としては、洗浄液で奥の汚れを浮かせてくるイメージ
綿棒では汚れを取ろうとしてもまず届きませんし、傷つけてしまうこともあるのでこの方法がベストです。
私たちは優しく揉み洗いすることもあれば、グッチュグッチュと音を立てて洗うこともあります。


④最後に洗浄液と一緒に浮いてきた汚れを拭き取ります。
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そして①~④を繰り返すだけ。

爪切りと同様、慣れないうちは一気にしようとはせず、少しづつ洗浄してみましょう。
一度イヤな思いをすると次から苦労してしまうので…

耳掃除は1回だけではありません。
外耳炎を起こしている場合は毎日しなくてはいけないこともあります。
なので特に問題のない時期から、練習をして慣れておくといいですね


ちなみに特に問題のない耳であれば、耳のお掃除は月1回ほどでもいいかもしれません。
ただ、日常的なチェックは忘れずに!
なにかおかしいな?という様子があれば、すぐ病院へ連れてきてください



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