獣医師みやも&ブリ太郎のすったもんだ日記

愛猫ブリ太郎と、動物病院の日常やどうでもいい日々を綴ります。

自己紹介

こんばんは!
今年のお正月は暖かいですね~
私は甥っ子姪っ子と縄跳びをして姉共々ヒザを壊しました。
まだこの世で5、6年しか使われてない新品の身体と自分達を一緒にしてはいけませんね。

さて、今回は大学生活の続き、後半戦です。
4年生となれば6年間もある学生生活といえども高学年と呼ばれます。
しかし6年間って長いですよね。だって小学生とかめちゃくちゃデカくなるし。


4年生
いつの間にか高学年になっていることに焦りを隠せない4年目。ついに研究室に配属される。

4年生では、獣医学生にとっての一大イベントが待っています。それが
『研究室配属』
です。
理系学部の学生は基本的に高学年になれば全員配属されます。文系学部でいうゼミでしょうか?(よく分かってなくてすみません)
当たり前ですがそれぞれの研究室には部屋があり、配属されると自分の机がもらえます。
そしてその研究室の教授(私たちはボスと呼んでいた)から研究テーマをもらい、6年生までの3年間各自研究に勤しむのです。
研究室に入るというより、教授につくというほうが正しいかもしれないですね。

ちなみに一大イベントという書き方をしましたが、基本的にどの研究室に行っても受ける授業は同じですし、進路にも特に影響はしません。
ただ、当時の私たちにとっては入る研究室というのは人生の全てのように感じていたのです。
というのも、その後の学生生活が大きく変わってくるから。
獣医学科では、研究室は大きく分けて『臨床系』『基礎系』に分かれます。
臨床系は代表的なものでは『外科学教室』『内科学教室』『臨床繁殖学教室』などなど。あまり馴染みのない方でも分かりやすいかもしれません。
実際、入学したての1年生はとりあえず外科内科に憧れがちです。
私も臨床系に分類される『画像診断学教室』に配属していました。

臨床系には一つ大きな特徴があります。それは 付属病院で実際の診察に携わること です。
もちろんまだ学生ですから実際の診察は行いません。自分の研究室のボスについていって診察のお手伝いをするような形ですね。(診察は小動物と大動物で別です)
お手伝いといっても内容は結構ハード。詳しく書くと怒られちゃいそうなのでやんわり?表現しますが、奴隷のごとく働かされて自分の時間が持てない研究室も存在しました。(私がいた頃の話ですが)
また、特にハードなのは診察に出ながら自分の研究も進めないといけない事ですね。
そんな忙しい研究室が多い臨床系ですが、貴重な経験が積めるということで毎年絶大な人気があります。

では基礎系とは?
代表的なものは『解剖学』『病理学』『分子病態学』など。基礎系は実は有名なものからなんじゃそれ?というものまで種類がいっぱいあります。
内容も本当に様々。基本的には研究(実験)がメインですが、解剖学教室のように下級生の解剖実習の手伝いを1日中したり、病理学教室のように外部から依頼された病理検査を行うなど、研究とは別にお仕事がある研究室もあります。
基本的には臨床系より時間があると思われがちですが、もちろん教室によっては臨床系より忙しいです。

このように、研究室それぞれに特色があります。
先に『研究室は進路には影響しない』と書きましたが、正確には少し影響します。
影響する…というか、『研究室によっては自分にとって有利な武器が手に入る』といったとこでしょうか。

例えば外科、やはり手術の外周りや器具の準備を行うので、術式や器具に詳しくなります。解剖であれば、あれほど大変な解剖実習を後輩と一緒に何度も行うのですから、解剖に関する知識は他の学生と比べものになりません。
…といった風に、それぞれ手に入る武器が違いますから、自分が進みたい分野を考えながらみんな研究室を選びます。(入った研究室の影響で進路を変更する人もいますが)
さらに4~6年生の大学生活が研究室によっては大きく変わるわけですから、慎重にならざるを得ません。(殴り合いで決めた先輩もいました)
外から見たら馬鹿らしいと思うかもしれませんが、当時の私たちはそれほどに必死でした(笑

研究室の話で終わった…
とにかく、4年生はやはり新しい環境になるので心身共にとってもバタバタします。
研究室に慣れながら授業も臨床系もものがぐっと増えてきますから。
そして気づくと5年生になっているのです。。。


5年生
研究室にやっと慣れてきたけど、授業の内容はどんどん深く専門的になってくる。
そして人によっては卒論が終わる(もちろん私の話ではない)


5年生…あんまり覚えてな…もにょもにょ
めっちゃ忙しかったことは覚えてるんだけどなぁ…
内科の試験とか外科の試験とか臨床繁殖の試験とか試験とか試験とか

上で触れてないですが、4年生からはいよいよ臨床系の内容の授業が増えてきます。
実際の病気の内容になってきますから、やはり内容も細かく、試験は難しくなります。

5年生は研究もどんどん進める時期でもありますから、学生生活は勉強に(遊びに)多忙を極めます。

6年生
卒論…もう二度と…したくない…国試……

もう言わなくても分かりますよね。
卒論国家試験の年なんです。
卒論は4~6年生の研究の集大成。実験を進めてまとめて、秋の卒論発表会で全教授の前で発表します。
もう二度としたくありません。
正直卒論が苦痛すぎたおかげで、この後の国家試験勉強はラクでした。

獣医の国家試験は毎年2月に行われます。
卒論発表はだいたい11月ですから、12月~2月の約3か月で6年間学んだことを覚えるわけで、よく考えると結構大変です。

実際は正気を保って毎日きちんと勉強すればほとんどの人は合格できるんですけどね。
これで国家試験に合格すれば、晴れて獣医師免許を取得できるわけです!

まとめると私たちの過ごした6年間ってこんなもんですが、実際はめちゃくちゃ濃くて忙しくって大変で楽しかったです。
勉強と同じくらい遊んだしね。

また学生時代に戻りたいな~と思ったり、
あ、でももう卒論したくない!って思いとどまったり。

まあ何はともあれあの6年間は私にとって最高の思い出ですね。
また明日から頑張ろう。


私は明日が働き初めです!
皆さま素敵なお正月をお過ごしください

こんにちは!
いよいよ大晦日ですね~
今年も忙しくあっという間に過ぎていきました。こうしてどんどん歳を重ねていくのか…

さて、今回は私の大学の話。
前々回書いた通り、私は高校卒業後(1年浪人経由)南の方の大学に入学しました。

獣医学科のある大学は国立10、私立5、公立1(最近設立された岡山理科大学ですね)の合計17大学です。
『獣医学部』ではなく『獣医学科』という書き方をしたのには理由があります。
一般に医師を輩出する大学は『医学部』を持ちますが、獣医師を輩出する大学で『獣医学部』を持つ大学は実はそうありません。

じゃあ何学部になるのか?

私立は例外ですが、国立大学のほとんどは『農学部獣医学科』です。
※これは私が在籍していた頃の話です。現在は改革が進み、複数の大学が共同で設置する『共同獣医学部』がいくつか存在します。

獣医の世界はとっても狭いです。毎年輩出されるのは17大学から1000人ほどです。
1000人って多くね?と思うかもしれませんが、医師の8000人と比べるとかなり少ないのが分かりますね。
(輩出人数と就職分野のアンバランスについては、岡山理科大学が新設された理由に関わるので、今回は触れません。長くなるので…)

あら、話が逸れました。
今日は私の卒業した某大学の生活について書く予定でした

獣医学科は6年間で卒業します。ただ6年間の生活は同じではなく、各学年ごとに色がガラっと変わります
そんな獣医学生の6年間、各学年ごとにまとめちゃいます

  • 1年生
念願果たして獣医学科へ入学して浮かれっぱなしの1年生。半数以上が浪人経験者のため、大学デビューが甚だしい。

おそらくどの大学でもそうですが、1年生ではまだ専門分野(獣医になるための勉強)は始まりません。
共通教育といって、他の学部生と一緒に一般的な内容を勉強します。
まあ、大学に慣れるまでの猶予期間とも言えるでしょう。私はこの時期に遊び狂って勉強の仕方を忘れました…のちに苦労します

  • 2年生
まだまだ浮かれる2年目に、いよいよ始まる専門分野。緩んだ頭に知識が入らない…


さあ、そろそろ慣れたでしょうと少しづつ専門分野が入り始めます。
最初はもちろん基礎の王様『解剖学』『生理学』
働き始めた今、なぜ最初にこの2つを勉強させるか分かります。めっちゃ大事だわ…

大学は前期と後期に分かれますが、前期は座学のみ。後期からいよいよ『解剖実習』が始まるのです。
解剖実習:獣医学生の関門のひとつ。実際の動物を使用して筋肉や神経、臓器の位置・名前を学ぶ。

解剖実習内容については詳しくは書きませんが、とてつもなくハードな実習です。朝から晩まで献体とにらめっこ。もちろんテスト・レポートもあり。
2年生の山場はこれくらい。しかし言ってもまだ2年生、序の口です。

  • 3年生
一気に増える専門分野。襲い掛かる試験(追試)地獄。太るワタシ。

ここから本格的に専門分野の授業が始まります。
2年生までは授業の半数以上を共通教育分野が占めますが、3年生ではほぼ専門分野となります。

項目全部は覚えてないので書き出しませんが、やはり大変なのは解剖(座学、実習どちらも)。
牛、豚、馬、犬、猫…。動物の体はその種類によって全然違います。この筋肉はこの動物にはないとか、この骨の部位はこの動物にしか見られないとかたくさんあります。(猫に鎖骨はありません)

『私は小動物臨床に行きたいし、牛豚馬は覚えなくていいや

なんて言ってられないのです。全部の動物の全部の筋、骨、神経、血管を叩き込む!私はこれに一番苦しみました

そんな解剖がてんこ盛りなのが3年生、それに分子生物学や生理学の続き、薬理、毒性など基礎の他の分野も増えてきます。
私が一番しんどかったのは3年生かな…(追試もいっぱい受けたよ)


4年生からは臨床分野がどっと増えてきます。
続きはまた後日

あと9時間程で2018年が終わりますね
ではでは皆様よいお年を~
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早く遊べというプレッシャーをかける係のひと

こんばんは!
今日はめちゃくちゃ寒いですね… 
仕事柄アルコールを扱ったり手洗いが多いため指先がぱっきぱきです(泣) 

さて、 今日は私の自己紹介と生い立ち?獣医になるまでをお話ししたいと思います。
自己紹介はしとかないとですからね! 一応です

 *

私はとある田舎の動物病院で代診として働いている『みやも』と申します。
好きな動物は犬と馬、趣味はマラソンと乗馬です。
大学時代は馬術部に入ったり、各地のマラソン大会に出場しまくったりしていました。

獣医を目指すまでの流れはおそらくほとんどの獣医さんと同じかと思います。

 私の地元は超田舎です。
小学校では帰り道が長すぎて暗くなり、中学校に上がれば自転車通学で楽チンだ!と思いきやヘルメットに何やら固い虫がぶつかる毎日。実家で経営するガソリンスタンドでは高確率でカブトムシが採れました。(灯りに飛んでくる)
獣医を目指すきっかけはずばり父でしょう。ピーナッツと犬と車をこよなく愛する父のお陰で、私は生まれた時から犬に囲まれて育ちました。なんとなーく動物関連の仕事に就きたかった私は、小学生の頃堂本剛くんが主演をしていたドラマの【愛犬ロシナンテの災難】にハマり、両親の口車に乗せられ?獣医を目指すことになりましたとさ。

まあそこからなんやかんやありまして(そのなんやかんやがえらく大変でしたが)やっとこさ南の方の某大学へ入学を果たしたのであります

入学で満足した私は、この後大変な6年間を過ごすことなど想像すらしていませんでした…
(めちゃくちゃ楽しい+めちゃくちゃキツい) 

みやもの自己紹介、大学生活編へ続きます 

はじめまして!
私片田舎の動物病院で獣医として働いております『みやも』と申します
ある日ひょんなことから家族になった愛猫『ぶり』と一緒に文字通りバタバタ生活をしております

今の病院で働き始めて4年目…そろそろ落ち着いて?きたので、自分のアウトプットやしょーもない日常を細々と書き連ねていきたいと思います

2018年も終わりっていうとんでもないタイミングの悪さですが、こういうものは勢いなので始めさせていただきましょう。
みなさまどうぞよろしくお願いいたします

ぶり1

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