獣医師みやも&ブリ太郎のすったもんだ日記

愛猫ブリ太郎と、動物病院の日常やどうでもいい日々を綴ります。

2019年03月

こんばんは!

昨日も今日も寒いんですけど…
寒いの嫌いなんですけど……


さて、今回は
にゃんたま
について!


にゃんたまってなんでしょう?
それは…


ででーーーん!
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こちらになります!

あ、にゃんたまは一言でいうと
ネコ用浄水器
です。

これがうちの病院にもやってきました
にゃんたまの推しポイントは

・マグネシウムやカリウムといったミネラル成分を軽減
・水道水中の塩素のニオイを除去
・使い方がとっても簡単

という点です。
尿路結石が多いネコ達にとって、原因となるミネラル成分を軽減できることと、塩素のニオイを取ることで飲水量が増えることはかなり大きなポイントじゃないかなと思います。
要するに、にゃんたまは普通の水道水を超軟水にするというものなんですね。


使い方はとってもシンプル。

①ボトルの上部分に水道水を入れる
②フィルターを通って下部分に貯まった水を注いで使う

これだけ。

フィルターのみ交換して使うのですが、フィルターも1回交換すれば60日間使用できるそうです


残念ながら尿路結石を溶かす効果はありませんが、尿路結石の悪化を防ぐ効果がありそうです。
治療と合わせて使ってみてはいかがでしょうか

動物病院でも取り扱っていますが、楽天やAmazonでも販売しているそうですよ!




ちなみに…
わんたまもあります



こんばんは!

春ですね。
春といえば…
田んぼが始まる……


今日は実家で種まき(の準備)でした。

『種まき』 ってご存知ですか?
 農家なら当たり前のワード、農業に馴染みない方は
『種まき…花とか野菜とか?』 

と 思われるでしょうか。

確かに同じ種まきなのですが、米農家でいう『種まき』は、9割が苗箱へ稲の種をまくことを指します。
(残りは多分花とか)
 
米農家の1年は

種まき&田んぼの準備(春)
    ↓ 
 田植え(春)
    ↓
稲刈り(秋)


 と大きく分けて3つの仕事がありますが、その中の2つは4、5月にしなくてはいけないので
春はとっても忙しい季節になります。

 
さて、そんなわけで今日は実家に召集されたわけですが…


私しか人がいない!!!


確かに今日の作業は1人でもできるけどさ…
平日だから暇なの私しかいないけどさ…

 
1人寂しくハウスで作業することになりました。とほほ…


上にも書きましたが、今日の作業は
苗箱に種を蒔く前に、苗箱に土を入れること(土入れ)です。
 
うちは田んぼ6反分、苗箱にして110枚に種を蒔きます。

①苗箱の準備
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こちらが苗箱くんです!
物置から4往復してハウスに運びました。

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土はこちら。結構重い…


②セッティング
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この箱に適量を入れて、余分な土は下のバケツに落とします。

③作業開始!
今年は1枚あたり2.5〜2.8kgの土を入れよ!
というお達しのため、まずはボウル1杯分の重さ測ります。

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8〜9分目がちょうどいいかんじ!
これを3杯投入します。

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もちろんこのままではダメです
 
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専用の道具を使って平らにならします。
(これが結構コツがいります。1番大事なのはテキトーなこと!
几帳面な方はいつまで経っても終わりません 笑)
 
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1枚できたのがこんなかんじ。
これを110回繰り返します。
1人で…


別にものすごく大変というわけではないけど、時間はかかります。
土が入った苗箱は地味に重い。
土袋はもっと重い。

確かに今日動けるのが私とおばあちゃんだけなので、私がするしかないのですが

バケツすくう
土ならす
運ぶ
バケツすくう
土ならす
運…


地味だ…地味すぎる……


まあでも、そんなこんなでおわりました。

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ここに今度は種もみを蒔きます。
そしてその上から薄く土を被せ…
そこでやっっと苗を育てる準備が完了するのです。

私が今日したのは準備の準備。
それで一苦労ですから、普段食べている野菜などの農作物は農家さん達の苦労の結晶ですね。


動物全然関係ないですね 笑
すみません。 

こんばんは!

前回あったかくなったなーなんて言ってたら、翌日みぞれでしたね…
これじゃ人間だって体調悪くなるわ


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ブリもこたつから出てきません
(私が何してるか監視するため頭は出しとくスタイル)

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え?


さて、今回は歯石編のラスト。
歯石予防についてです!

前回も書いたとおり、近年は長生きの子が増えているので、デンタルケアの重要性が高まりつつありますね
病院に来られる飼主さんたちも気にしてらっしゃる方が多く、よく質問される内容でもあります。


歯肉炎の予防はすなわち歯石の付着を予防することなのですが、
その子によって適した方法は違ってきます。


 1.歯磨き 

効果  ★★★
手軽さ ★

メリット:確実な効果、低コスト
デメリット:大変、訓練が必要

これが最もシンプルでいて効果のある方法です!
人間もそうですよね。
いつの時代も変わらず、デンタルケアの王道は歯磨きです

使用するのは歯ブラシでもいいですし、指にガーゼを巻いて擦るでもいいです。
方法は基本的に人の歯磨きと同じ。歯と歯肉の際の部分を磨くのがやはり大切です。

犬猫たちは人と違って歯垢が付きにくい歯の構造をしているんですが、それでもやはり少しずつ付いてしまいます。
もちろん毎日するのが1番ですが、1週間に1回行うだけでも全然違ってきます。


ただ、上に挙げた通り、歯磨きはやはり大変です…。
やったことある方は分かると思いますが、基本的に犬猫たちは口元を触られるのを嫌がります。
特に成犬になってから急に始めるとなると、なかなか大変で続かなくて…という悩みをよく聞きます


やはり動物としても、急に口元を触られて歯ブラシやガーゼを入れられたら
『え⁉なになに?』
となるのは当たり前です。

歯磨きに慣れさせるには、やはり訓練が必要…
幼い頃から口を触って、開けたり閉めたりに慣れてもらうのがベストですが、大人になってからでも可能です。

でも決して無理はしないで
飼い主さんに触られるのが大好きな子であれば、急に歯みがきまで進めても大丈夫なこともありますが、そうでない子で失敗すると、

もう二度と口を触らせてくれない…

なんてことにもなりかねません。

下の2,3の方法を組み合わせながらゆっくりでいいので、訓練できるといいですね
ちなみに口元をスムーズに触れる訓練をしていてもらえると、動物病院でもとっても助かります


ちなみにおススメの歯ブラシはこちら
ポイントはいかにヘッドが小さくてお口に入りやすいかだと思っています。



併せてペーストを使うことで歯磨きしやすくなることもあります


 2.デンタルガム 


効果  ★★
手軽さ ★★

メリット:簡単、喜んでしてくれる子が多い
デメリット:高コスト(毎回ガム準備が必要)、すぐに飲み込んでしまうと効果なし

これは犬では主流の方法かもしれないですね
人でもガムを噛むことで歯磨き効果を期待することがありますよね
(機序はちょっと違いますが…)
犬の場合は、ガムを噛むことで物理的な研磨効果を狙います。

私たちもよくおススメしています。
理由は、何より簡単なこと
ガムということでおやつ感覚でできるので、喜んでくれる子が多いです

ただ、案外多いのが
『うちの子はあっという間に食べちゃって、全然噛んでくれてなくて…』
というもの。
喜んで食べてくれる反面、勢い余って飲み込んじゃう子が多いんです

メーカーの方に直接質問したところ、

『どうしても飲み込んでしまう場合は飼い主さんが手に持って、引っ張りっこのようなカタチで使って下さい。』

とのことでした!
ちょっと時間はかかりますが、確かにそれなら少しずつカミカミできますね


お肉アレルギーがある子用のもあります!


 3.液体デンタルケア 

効果  ★~★★
手軽さ ★★★

メリット:簡単
デメリット:用法用量は守って!

これは究極に手間が少ない方法でしょう。
なんせ普段の飲み水に混ぜるだけですから

イメージとしては私たちが口をすすぐのに使うマウスウオッシュのようなものでしょうか
とってもとっても簡単です。
そして猫にも使いやすいです

歯磨きするのも、引っ張りっこに付き合うのもちょっと時間がなくて難しい…
けど何かしたい!という場合はこちらがおススメです


ただ、効果を高くしたいからといって適用量から外れてたくさんの量を使うのは絶対にやめましょう。
まれに、含まれるキシリトールによって、低血糖を起こしてしまう場合があります


もちろん用法用量を守って使えば、とっても優秀なアイテムなので、気になる方は使ってみて下さい!




やっと歯石日記が終わりました…
長々と失礼しました

こんばんは!
ここ数日でとっても暖かくなってきましたね
とうとう桜も開花しているのを見かけて、一気に春の気分です


さて、前回のつづき。

・歯石の処置になんで麻酔が必要なのか
・歯石・歯肉炎の予防法


についてです!


1.歯石の処置になんで麻酔が必要なのか

みなさんは歯石処置(スケーリング)、したことありますか?
私はなるべく1年に1回は歯医者さんで検診とスケーリングをしてもらうようにしています。

あの独特のキュイーーンという音やチクチクする感覚、苦手な方も多いのではないでしょうか…


基本的に、人間の歯医者さんでは麻酔かけて処置をすることってほとんどありませんよね?
でも動物病院の歯科処置には麻酔が必要…
これはなぜなのでしょうか?


私たちが麻酔をかける目的はただひとつ…
動物達が動かないようにすること
なのですが、さすがに乱暴な説明すぎますね 笑
少し詳しく挙げると

①動物達に怖い思い、痛い思いをさせないため
②私たちに危険が及ばないようにするため
③確実にスケーリングを行うため

という目的があります。


 ①動物達に怖い思い、痛い思いをさせないため 

これは1番分かりやすい目的なのではないでしょうか。
私たちは歯医者さんに行けば
『椅子に座って大きく口を開けて下さーい』
と言われて、動かずに口を開けていられます。

しかし当たり前ですが、動物たちはそんなことしてはくれません。

処置台からは逃げ出そうとし、口を開けようとすればがっちりと口を固く閉じて開けようとしません。


冷静に考えてみれば当たり前ですよね?
もし私たちが言葉の通じない宇宙人たちに押さえつけられて、口を無理やり開けさせられて、なんだかよく分からないけどキュイーンと音のする機械を近づけられたら…私だったら逃げ出したくなります

処置には多少の痛みも伴います。
重度の歯肉炎を伴う子であればなおさらです。


そんな恐怖と痛みを我慢させながら処置をするなんて、あまりにもかわいそうです。
言葉の通じない動物たちには、麻酔・鎮静は最低限必要なことだと思います…。


 ②私たちに危険が及ばないようにするため 

これは目立たないことですが重要なことです。
先日の記事
噛みつくワンコにご用心!
でも触れましたが、悲しいことに動物たちにとって私たちは嫌なことばっかりしてくる敵です。


動物の歯石処置で使用する超音波スケーラーは基本的に人間のものと機能や使い方は同じです。
普段でさえ警戒心を持っているのに、デリケートな口元に見慣れない機械を近づけられたら…
やはり攻撃的になる子もいます。


処置をするには口を開けて歯を見せてもらわないといけませんが、
もし無麻酔で処置を行うとなると口輪はもちろん、エリザベスカラーなんて使えません。
(肝心の口を隠しちゃいますからね)

動物たちの1番の武器である歯。
それを素手で麻酔や鎮静もなしに処置を行うことほど危険な行為はないと思います。

ちょっとでも暴れてしまったら直接ケガにつながるところですから…



 ③確実にスケーリングを行うため 

個人的には、これが1番重要な目的だと思います。
下の写真を見て下さい。(実際にトイ・プードルちゃんから抜けた門歯(前歯)です)

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分かりにくいですが、上が口の中に出ている側、下が歯肉側になります。
ちょっと落としていますが、黒いものが歯についた歯石です。

歯と歯肉の間にこんなに歯石がついているんです…
ゾッとしませんか

というのも、歯と歯肉の間(歯周ポケット)は、犬では最も歯垢が溜まりやすい場所。

少しずつ歯垢が溜まる
  ↓
それによって歯肉炎を起こしてさらに歯周ポケットが広がる
  ↓
さらに歯垢が溜まる…

とどんどん進行してしまうのです。


いくら表面がキレイに見える歯でも、歯周ポケットに歯石がついていれば歯周炎はひどくなるばかりです。

『トリマーさんのところで無麻酔で歯石とってくれたんですよ~』
と言って来られて、実際麻酔かけて見てみると歯周ポケットに歯石がぎっしり…
なんてこともありました


ひどい歯周炎の場合は、歯周ポケットの内側をあえてスケーラーで削って炎症を起こし、歯肉を引き締めさせることだってあるのです。

歯周ポケット内のスケーリングは違和感を伴いますから、無麻酔で処置を行うのはとてもじゃないけどできません。
見た目だけキレイになればよいのであれば、無麻酔でも処置は可能かもしれません。
ですがそれではその場しのぎ。
その後に起こる問題を考えると、麻酔をかけてしっかりと歯石を取り除くことが必要だと思います。



ここまで麻酔の必要性を書きましたが、
もちろん全身麻酔にはリスクが伴います。(麻酔がかけられない子もいます)

ですがそれを踏まえても、無麻酔で処置を行うということには疑問があります。
動物たち恐怖や痛みを我慢させながら、実際には歯石を完全に取り除くことはできない…。


完全に私個人の考えですが

それって処置する意味あるのかな…
とさえ思います。


歯周炎が全くない子で、表面の歯石のみを取り除くのみであれば、無麻酔で行うことはまれにありますが、基本的に麻酔は必要な事だと私は思います。


実際に処置をする際は事前に血液検査や身体検査を行い、麻酔を安全にかけられるかどうかの評価を行いますので安心してください。


大切にされて長生きな子が多い昨今。歯石や歯肉炎の問題は確実に多くなっています。
(どうしても長生きすれば歯石はついてしまいますからね)
歯石や歯肉炎、気になることがあればお気軽にご相談くださいね



予防についても書きたかったけど、また次回…

こんばんは!

今朝はブリが元気なかったから心配してたんですが、帰ったらケロっとしてました
なんだったんだろう…
(塩素につけたスポンジで遊んでたから1ミリくらい心配してた)


さて、今回は犬(猫)の歯の話
犬猫のお口の問題(歯周炎、歯周病)、実はとっても多いんです…

今日も1件、歯石を取り除く処置をしたところです


 犬の歯の構造 
さて、当たり前ですが犬の歯は人間とは違います
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大きく分けて4つに分類されますが、
特徴になるのは犬歯前・後臼歯でしょうか。
見ての通りとっても大きくて根っこが深いのです。


この構造は、小さなチワワも、大きなセントバーナードも同じです。

 歯周炎って? 

ではでは、犬の歯周炎はどうやってできるのでしょうか?

基本的には犬の歯周炎も、人間の歯周炎も同じです。
口腔内の歯周病菌によって起こされる歯肉の炎症を歯周炎と呼びます。


もともと歯には防御機能が備わっていて、細菌が歯の表面についても唾液で流されるようになっています。
しかし、歯と歯の隙間や、歯と歯肉の間は細菌が留まりやすく、そこで増殖したものが歯垢となります。
(夜間に歯垢がつきやすくなるのも、唾液が流れにくいせいですね)


さらにさらに歯垢の進化は続きます…
歯垢の状態では歯ブラシで除去できるのですが、歯垢が唾液中のミネラル成分と共に石灰化したものが歯石となってしまうのです
こうなってしまうと、一般的な歯のケアでは落とすことが難しくなります。


多くの場合、歯垢は3~5日かけて歯石となると言われています。
一度歯石が付着するとそこにはさらに歯石が付きやすくなり、やがて歯周炎の原因となります。


 症状は? 

症状は軽いものから

・口臭
・歯肉の腫れ、赤み
・目の下の腫れ(破裂して排膿することも…)
・膿のような鼻汁
・歯のぐらつき・脱落


と様々です。
下の3つは歯周炎の中でも重度の根尖膿瘍を起こした場合に起こります。


特に根っこの大きな歯である犬歯や臼歯で根尖膿瘍を起こすと、炎症が鼻まで及んでしまったり、歯が抜けて鼻腔まで通じる大きな穴が開いてしまうことまであります。

『急に目の下が腫れてきちゃって…』
といって来られる場合が多いですが、これは根尖膿瘍で膿が溜まっているからなんですね。


案外、飼っている子たちの口の中をじっくりと見られている飼い主さんは少ないです。
歯周炎を起こしている子はなおさら口を触られるのを嫌がりますから、普段から口を触る練習をしているといいですね


 治療は? 

歯肉の炎症や腫れは細菌が関与しているものなので、抗生物質を使用することで症状は改善することが多いです。
しかし、根本的な原因となっている歯石がある以上、一度症状が改善しても遅かれ早かれ再び症状が見られ始めます。

なので重度の歯周炎を起こしている場合は、基本的には内科的な炎症の治療と合わせて、麻酔下の歯石除去(スケーリング)が必要になります。


さて、次回は
なんで歯石処置に麻酔が必要なのか と 予防方法
について書きたいと思います

ではまた~

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