獣医師みやも&ブリ太郎のすったもんだ日記

愛猫ブリ太郎と、動物病院の日常やどうでもいい日々を綴ります。

こんばんは!

梅雨ですね…
じめじめすると動物たちに数々のトラブルが増加します。

そのひとつが
外耳炎
です

外耳炎…
人ではあんまり馴染みがないかもしれませんね。
毎日お風呂に入りますし、耳掃除もこまめにしますし


ただ、動物病院では、件数の多い症例のトップ5に入るくらい多い病気です。
というのも
・耳の構造が複雑で耳道が長い
・犬種によっては耳に毛が生えている
・そもそも気付かない

といったことが原因で、動物の耳の疾患は悪化しやすいから。
では、それぞれについて説明していきます

 犬の耳の構造 

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犬の耳は人とはちょっと違います(犬と猫はほとんど同じです)

もちろん耳の基本的な構造(鼓膜や鼓室、内耳など)は同じですが、ひとつ大きな違いは
垂直耳道と水平耳道が存在する=耳道がとても長い
こと

そこが犬たちの耳の特徴であり、弱点でもあります…。

犬の外耳炎を起こす原因のほとんどは、真菌(マラセチア)や球菌(ブドウ球菌)といった耳の常在菌です。
大腸菌のように、普段は仲良く生活しているのに、増えすぎてバランスが崩れることで炎症を起こしてしまうのです。


健康状態の耳は自浄作用を持ち、汚れは自然と外に排出されてきます。
基本的にはそれを軽くふき取るだけで手入れは十分とされています。(人でも最近は耳掃除はそこまで必要ないと言われていますよね)

しかしそこで、細菌感染や炎症によって耳道環境のバランスが崩れると…
複雑な耳の構造のせいで、汚れは籠りやすいわ掃除はしにくいわで耳の症状は一気に悪化します


特に垂れ耳の犬種(レトリーバーやダックスなど)や耳に毛が多く生えている犬種(プードルやシーズーなど)、耳道にアポクリン腺が多く分布する犬種(コッカーやパグなど)は注意が必要です…。


 犬の耳毛は抜かなきゃダメ? 

『先生、耳毛は抜かなくてはいけないですか?』

先ほども触れましたが、耳に毛が生えている犬種が存在します。
代表的なのはやはりプードルやシーズーですね。

その犬種達の飼い主さん方からよくされる質問です


答えは…

『場合によりけり!!』
です。笑


確かに犬の耳毛は密集して生えるので、熱や湿気は籠りやすく汚れも絡みやすくなります。
しかし、だからといって健康な耳の子の毛を全て取り除く必要はありません。
外耳炎の程度によっては、耳毛を抜くことで炎症が悪化することさえあります


耳毛を抜く必要があるのは、毛が密集しているせいで、耳道内の通気性が悪くなっている場合や耳垢が絡んだりして不衛生になっている場合。

その場合は、ただれがひどい部位を避けて抜いてあげるようにしましょう


 そもそも気付かない… 

これが実際外耳炎を悪化させる一番の原因かと思います。

耳を喜んで触らせてくれる犬はあまりいません。
とくに外耳炎を起こしていたり、違和感のある子は耳付近に触れることさえ嫌がります。


基本的に外耳炎を時間をおけばおくほど悪化します。
そして放置して耳を振ったり掻いたりを繰り返すと、耳血腫や外傷を引き起こす原因にもなってしまいます。


まずは普段から耳に触る訓練をしておくこと。
これは犬たちの身体をケアするうえでもとっても重要です。

耳に触れない子でも、耳をやたらと掻いたり頭を振ったりといつもと違う様子が見られたら、なるべく早く病院へ連れてきてください。

外耳炎は基本的に命にかかわるような病気ではありませんが、悪化するとなかなかに厄介です…


次回、耳掃除のしかたと、外耳炎の症状・治療について書きたいと思います
ではでは~



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こんばんは。

今日の金ローはアラジンでしたね!
やっぱり本家は最高ですねぇ。劇団四季のもよかったですが



さて、今の時期猛烈に毛が抜ける方がたと一緒の皆様、いかがお過ごしでしょうか?

うちのブリも例外でなく、毎日スリッカー&コロコロ&掃除機のコンボをかましております

最近のブリというと…

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毎日こうして高見櫓から偵察しています
そう、ブリが額をくっつけている網戸もまた、毛だらけなのです…

この毛をなんとかしたい。
日々悩んでいたところに、こんなものを見つけました!



無限コロコロこと、抜け毛とりクリーナーです

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裏返すとこんな感じ。

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赤いところに毛が絡むんですが、このグレーのゴム部分が上下に動いて絡んだ毛を中に取り込んでいきます。

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ほら、いっぱい入ってるでしょ?笑

コロコロを同じ要領で使えるし、何より経済的!
もちろん場所によって粘着テープのコロコロと使い分けますが、結構便利です。


毛でお悩みの皆さんにおすすめの一品ですぞ!

こんばんは。

ゴジラが観たい。あーゴジラが観たい。



さて、今日は
ほんとうにあった犬達の異物誤飲症例をご紹介します。

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まだまだありますが、まずは選りすぐりの症例たちから。


彼らはほんっっっとーーーに色んな物を食べます。
そして誤食癖のある子は、何度も繰り返すことが多いですね…



個人的に最後のジャックラッセルおじいちゃんはかなり衝撃的でした。
10年以上もひっそり胃の中にあったとは…

実は、中毒物質でなければ、異物は胃の中にあるだけでは症状を起こすことはあまりありません。
これが胃から出て小腸へと流れ始めると、嘔吐などの症状を示し始めるのです。

さすがにこのジャックラッセルくんは稀な例ですが、中には飲み込んでから症状が出るまでブランクがある子もいます。

なので
『最近は落ち着いてきたからオモチャを飲み込んだりなんかしてないはず』
と思っても、油断はできないんですね…



今回は笑い話で済んでくれた症例ばかりですが、もちろんとってもひどい状態になる子もいます。


なにか飲み込みそうなものは、届くところには置かないように気をつけましょう!
 

こんばんみ。

まだまだ繁忙期は続いております…
みなさんは今年もフィラリア予防薬は準備しましたか?
予防期間は6~12月までなので、まだ間に合いますよー!



突然ですが…
みなさんの愛犬・愛猫は耳を痒がっていませんか?
最近耳垢がたくさん出てはいませんか?


そう、今回は『耳ダニ』について
少し書いていこうと思います

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 耳ダニって? 

この世界には、無数のダニが生息しています。
ダニは60%の以上の湿度と、25度以上の気温酸素と餌(埃やフケ)があればどこでも繁殖できるという恐ろしい生態の持ち主。
つまりこれから梅雨に入る日本では、ダニにとって最高のシーズンとなるわけです。

さて、そんなダニたちですが、犬猫達に感染するものもやはり多数存在します。
その中でも今回は気づかれにくい『耳ダニ』について、触れていきます。

耳ダニの本名は『ミミヒゼンダニ』
動物の耳の中で耳垢を食べて繁殖しています。

ミミヒゼンダニはよく聞く『マダニ』と違って、顕微鏡でしか見られないくらい小さなダニです。
なので肉眼で見ても、虫自体を確認することはできません。

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 症状は? 

…耳の中で耳垢を食べて生活している…
聞くだけで耳がムズムズしますよね。

耳ダニの症状は
猛烈な耳の痒み(中にはあまり気にしない子もいますが…)
黒くて匂う耳垢
です。

厄介なのは、症状が耳に限局するため、身体がキレイな子は気づかれないことが案外多いということ。
ひっそりと耳に寄生し、気付いた時には大繁殖!ということもよくあります。

耳の中でガサゴソ動き回るわけですから、とにかく痒い
そのため、耳の周りに傷ができてしまう子もいます。

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 原因は?ヒトにもうつる? 

耳ダニの最も多い感染経路は、耳ダニに感染した猫からうつってしまうことです。
なので、自由にお外に行く子は注意が必要です。
お家で多頭飼いしている場合、あっという間に感染が広がってしまうこともあります。

また、母猫が耳ダニに感染しているとほぼ100%子猫にも感染していますから、外で子猫や野良猫を保護した際も要注意です。
保護した子をもともとお家にいた子と接触させる前に、必ず動物病院で診察を受けましょう。
すぐに連れて行けない場合は、しばらく隔離したほうがいいでしょう。


ちなみに…
耳ダニは人にもうつります
ちょっとぞっとしますが、実際にうつってしまった飼い主さんもいます。

ただ、人の耳では繁殖できないため、一時的な症状でおさまることが多いようです。
いずれにしろ、お互いのために早めに治療をおススメします…


 治療は? 

耳ダニの治療は基本的に
滴下型の薬剤+耳掃除
で行います。

まずは滴下薬で耳ダニを駆除。
さらに、耳に付着した耳垢を洗浄液を使いながら除去します。

耳ダニのいる場合に出る耳垢は、耳ダニの死骸と耳ダニの糞の塊なので、完全に除去するにはなかなか時間がかかります。
うちの病院では耳ダニが見つかった場合、1週間に1回耳掃除に来てもらいますが、多い子で4回、つまり1か月かかる子もいます。

耳意外にもなかなか大変な病気です…



愛犬愛猫が最近耳を痒がる、いつもと違う耳垢が出る…
このようなことが気になった場合は、なるべくすぐに病院へ!


外耳炎ということもありますが、どちらにしても悪化すると治療は大変ですから。
これからの季節、彼らはこっそりやってきますよ……



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こんばんは!
相変わらず忙しいです。
更新も遅れるばかりですみません


さて、最近急に暑くなってきましたので、
本当にあった怖い話を少々… 


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少し前の話ではありますが。

これはうちの病院で実際にあった事件です。
この子の場合、見つかるまで1週間以上かかりました。

その間の飼い主さんの心労は計り知れないですね…


病院での猫達は、お家での姿とは全く違います。
お家では人にスリスリゴロゴロなのに、病院では噛み付く引っ掻く。なんて子もたくさんいます。

特に治療など、嫌なことをした後は気が立っていますから、何かの拍子に飛び出してしまうことも十分考えられます。

猫たちは身体が柔らかいので、本気を出せば私達の腕なんて簡単にすり抜けちゃいます
簡単に言うと
病院での猫は、信用しないこと
です。
必ずキャリーor洗濯ネットを忘れずに!
私達もいつも油断しないように気をつけていますので…

何よりこれらは、可愛い家族を守るため。
どうか、よろしくお願いします




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